ナルコユリ
photo by Kerry Woods

黄精は昔の江戸の人たちには非常になじみのある生薬で、かの小林一茶も愛用していたことで知られています。

現代では黄精の名前を知っている人はほとんどいないと思いますが、実はいまでも非常に身近な強壮薬です。

というのも、薬局で売られているメジャーなドリンクタイプの精力剤に非常によく含有されている生薬なのです。

きっとあなたも知らない間に口にしたことがあるはずです。

この記事では、この黄精についてその原料や効能などについてくわしく調べてみました。

黄精とは?

江戸時代

黄精はユリ科アマドコロ属のナルコユリ(Polygonatum falcatum A. Gray)やカギクルマバナルコユリ(P. sibiricum Redouté)などの根茎を蒸して乾燥させた生薬です。

伝統的にはカギクルマバナルコユリが用いられていたようですが、日本ではカギクルマバナルコユリは自生していないため、ナルコユリで代用しています。

中国での黄精の歴史は古く、南北朝時代に編纂された『名医別録』に上品(じょうほん)としてすでに登場しています。

日本では江戸時代には普及していたようで、強壮・強精薬として人気があり、東北地方から黄精の販売を専門とする黄精売りが黄精の砂糖漬けを売りに来るほど一般的なものだったようです。

いわば、江戸時代のゼナやユンケルのような精力剤のようなものだったのでしょう。

先人たちも、われわれと同じように精力の低下に悩んでいたんでしょうね。

庶民が自ら黄精を採取して、砂糖とともに焼酎に漬けた黄精酒を作ったりもしていたようで、俳人の小林一茶も黄精を掘っていたという記録があります。

黄精の名前は今ではあまり知られていませんが、現代でも精力ドリンク剤(ほとんどのユンケルシリーズ、ゼナシリーズ、リゲイン)に原料として含まれていて、いまも大衆のための精力剤として健在なのです。

 

管理人管理人

ナルコユリは日当たりの悪い場所でも地下茎を横に伸ばして増えていくので、ガーデニングの分野でもシェードガーデンとして利用されたりもしています。
ひょっとしたら、あなたの庭にもナルコユリが植わっているかもしれませんね。

黄精の効能・効果は?

漢方薬

黄精は第三類医薬品に指定されおり、正式に効能の認められた医薬品です。

使用されるナルコユリの根茎は節が大きく肥大して分岐していないものが良いものとされています。

科学的に分析された主要成分としては

  • 多糖類(ポリサッカライド)のファルカタン(Falcatan)
  • キノン誘導体のポリゴナキノン(Polygonaquinone)

などが分離されています。

 

黄精の生薬としての薬能には次のようなものがあります。

  • 補気養陰・・・陰を潤すこと。元気が出る
  • 健脾・・・脾胃(消化器)を正常にする
  • 潤肺・・・肺の乾燥した状態、空咳などを改善する
  • 益腎・・・腎臓の機能を高める
  • 肺虚燥咳・・・肺の気が不足して起こる咳、口や喉の乾きなど
  • 精血不足・・・生命を維持する栄養の不足
  • 内熱消渇・・・陽の気が過剰で体内に生じる熱。それによる喉の渇き。多飲多尿

 

薬理作用には

  • 抗菌作用
  • 抗真菌作用
  • 血圧降下作用
  • 血糖降下作用

などが認められています。

 

黄精は漢方処方に用いられることはなく、中薬(生薬単体で用いる)として使用します。

臨床応用としては

  • 滋養強壮
  • 病中病後の虚弱
  • 肺結核による咳
  • 糖尿病
  • 口渇
  • 慢性病の栄養不良
  • 強壮・強精

などがあります。

精力剤としての効果については、杜仲などと同じようにまず体を元気にすることで、その結果として性機能が回復することを狙って用いるものですね。

なので、性欲低下が著しい人やEDの人は、黄精だけの作用でははっきりとした精力アップを望むことは難しいでしょう。

 

管理人管理人

他の精力剤や精力アップの方法と組み合わせて利用するのがいいと思います。
そうすれば相乗効果で元気になったムスコに再会することが期待できそうです。

黄精の副作用は?

活性酸素を取り除くイメージ

黄精は昔から、日頃の健康のために習慣的に服用されてきたものです。

それは本草学において上品に分類されていることからも明らかです。

現在の栄養ドリンク剤への添加も、医薬品だけでなく医薬部外品の製品にも含有されています。

一応、第三類医薬品ではありますが、健康食品に近いものと言えるでしょう。

なので、常用してもよほど過量に摂取しないかぎり、副作用が問題になることはないでしょう。

安心して服用できる生薬です。

まとめ

古くから民衆に愛されて用いられている生薬ですから、その効能・効果も安全性も信頼できるものです。

しかし、男性機能に直接効く作用はありませんから、黄精単独でははっきりわかるほどには精力アップは感じられないでしょう。

精力アップ効果のある他の生薬と合わせて用いれば、相乗的に作用して満足できる効果が得られると思います。