イチョウ並木

街路樹としてどこにでもあるイチョウの木。イチョウ並木という言葉あるくらいポピュラーな植物です。

実である銀杏(ぎんなん)は茶碗蒸しや串焼きとしてよく食べられていますが、葉っぱの方は日本では利用されていません。

秋になれば落葉して、街のゴミになるだけですね。

実は、イチョウの葉にはいろいろの効能が認められていて海外では医薬品として扱われています。

最近の研究では、ED改善にいいという結果も報告されていて、精力剤として注目されてきているのです。

今回は、このイチョウ葉について詳しくまとめました。

イチョウとは?

ぎんなん

イチョウは、イチョウ科イチョウ属の裸子植物の木で、起源の古い植物です。

学名はGinkgo biloba、日本名はぎんなんと同じ字を当てて銀杏(イチョウ)と書きます。

イチョウの仲間は他におらず、イチョウしか残っていません。なので生きた化石とも呼ばれ、絶滅危惧種にも指定されている程です。

日本では当たり前のようにある木なので全然知りませんでしたが、そんな珍しい木なんですね。ちょっとイチョウへの見る目が変わりました。

絶滅危惧種とはいっても、繁殖力が強いため日本中で植樹されていて、ごく普通に街路樹になっているのは先に述べた通りです。

一方、ヨーロッパではイチョウは17世紀に一度絶滅していて、日本から持ち帰った木からヨーロッパ各地に広がっているんだそうです。

いまでも日本で栽培されているイチョウは多く、医薬品の原料として日本からイチョウ葉が大量に輸出されています。

日本人だけが知らない医薬品としてすぐれたイチョウ葉

イチョウ葉

もともと中国では実のぎんなんは中医学で用いられていましたが、近年になってイチョウ葉の効能が注目を浴びるようになりました。

海外では、イチョウ葉に含まれる成分に薬効が認められていて、医薬品として流通しています。

海外では医薬品指定されているのに、日本ではいまだに指定されていません。

だから、日本ではイチョウ葉が体にいいことなんか、ほとんどの人が知らないわけです。

欧米ではサプリメントなどにもよく用いられていて、健康食品の中でもトップ10に入るほどの人気があります。

イチョウ葉に含まれる成分

イチョウ葉に含まれる成分には以下のものがあります。

  • ビロバライド
  • ギンコライド
  • ギンコール酸
  • プロシアニジン(ポリフェノール)
  • ケルセチン(フラボノイド)
  • ケンフェロール(フラボノイド)
  • ビフラボン(二重フラボン)
  • クロロフィル

これらのうちビロバライドとギンコライドが主要な薬効成分と考えられていて、どちらもイチョウにだけ含まれる成分なのです。

 

日本では健康食品扱いですが、ヨーロッパでは医薬品としてさまざまな有効性が認めれられています。

ヨーロッパにおいてイチョウ葉エキスは医薬品として標準化されていて、代表的なイチョウ製剤のEGb-761では、

  • フラボン配糖体:24%
  • テルペノイド:6%(ギンコライドA,B,C2.8-3.4%、ビロバライド2.6-3.2%)
  • ギンコール酸:5ppm(5µg/g)以下

という基準が決められています。

 

管理人管理人

このEGb-761は別名Tanakan(タナカン)ともいい、これは元総理大臣の田中角栄の名前から由来するそうです。
日本がイチョウ葉の一大輸出国であることがわかるエピソードです。

イチョウ葉の効果・効能は?

イチョウ葉の効果・効能

  • 血流を改善する
  • 動脈硬化を改善する
  • 脳機能を高める
  • 高血圧を改善する
  • アレルギーを緩和する

イチョウ葉は強力な抗酸化作用を持ち、血栓をできにくくする作用もあり、血流を良くする効果があります。

抗酸化作用はミトコンドリアレベルで酸化を防ぎます。これには特にビロバライドが関わっていると考えられています。

その血管への効果から、ドイツでは高血圧の薬として用いられています。

また脳の血流の改善にも効果が高く、認知症の改善や記憶改善などにも効果を示します。

抗酸化作用血栓を防ぐ作用は多くの病気に対して予防効果を示します。

高血圧に良いのも脳の働きを良くするのもその効果によるものです。

その他の効果で、われわれ中高年の男性機能に関わってきそうなものとして、動脈硬化を予防する効果があります。

EDは動脈硬化の初期に出る症状なので、動脈硬化を予防する効果があるのなら、勃起機能向上や精力アップにつながるかもしれません。

では、実際にイチョウ葉にそのような作用はあるのでしょうか?

イチョウ葉は勃起力改善や精力アップに効果はあるのか?

マカで滋養強壮、精力アップのイメージ

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の抗うつ剤を使用すると性機能が低下し、EDになることが知られています。

この種の性機能不全に対してイチョウ葉は効果があるようです。

抗うつ剤によって起こる性機能不全に対しては有意に効果があり、男性の8割近くが性欲が回復したり、勃起がしやすくなったり、オルガスムが起こりやすくりました。[1]

このような作用は男性だけでなく、女性においても同様に見られます。

では、勃起能力そのものに対しての作用はどうなんでしょう?

勃起力を高める作用があるという報告が見つかりました。

イチョウ葉には、ラットの研究で勃起力を高める作用があることが確認されました。[2][3][4]この作用は勃起に関係する脳の領域でドーパミンが増加することによるものと考えられます。イチョウ葉にはこの脳の領域のドーパミンを増やす作用があると報告されています。[5]

結果的にNO(一酸化窒素)によって勃起は起こりますが、NOの分泌を刺激するのは神経でそれを支配しているのが脳です。

バイアグラや他の精力剤ハーブの作用点はNOの代謝に関連していますが、イチョウ葉は脳の方へと作用することで勃起力を高めるようです。

心因性のEDにはよく効くかもしれませんね。さらなる研究が待たれます。

他の報告では、イチョウ葉エキスを摂取することで、PDE5阻害薬で勃起可能な人では6ヶ月後には全例で薬なしに勃起ができるようになり、薬を飲んでも十分勃起できなかった人では30人中19人が薬で勃起が可能になりました。[6]残念ながら残りの11人は効果がなかったようです。

かなり具体的なED改善効果の研究なので、イチョウ葉エキスがEDに効くかもしれないという事実がもっと大きくクローズアップされても良さそうですね。

イチョウ葉の用量・用法は?

推奨用量

一時的な認知機能を高める目的、つまりスマートドラッグみたいな使い方の場合は、パフォーマンスを上げたいタイミングの4時間前にイチョウ葉エキス(EGb-761)を120-240mg服用します。

記憶力や認知機能の衰えを予防するための服用では、1日3回40-120mgを摂取します。

イチョウ葉エキスの服用は、食べ物と一緒に摂ることが推奨されます。

前述のED改善の研究では240mgで(1日1回?)使用されていました。

イチョウ葉の副作用は?

活性酸素を取り除くイメージ

生理的活性のあるギンコライドはほとんど無毒な成分なのですが、ギンコール酸には毒性があります。

ギンコール酸はアレルギーを起こす作用があり、皮膚炎や腹痛などを起こす可能性があります。

イチョウ葉エキスを医薬品として扱っているヨーロッパでは、EGb-761のように規格を決めてギンコール酸を取り除いた製品が流通しています。

なのでこれら海外の製品では副作用はほとんど問題になりません。

日本では健康食品なので、このような規格に準ずるかどうかは企業の裁量にまかされています。

中にはギンコール酸が多く残っているような製品がありますので、安全に配慮した信頼できるメーカーのものを利用したいものです。

まとめ

日本では無駄に散ってしまっているイチョウはとても有用な成分が含まれています。

日本では健康食品扱いですが、ヨーロッパでは医薬品なのでその効果は信頼できるものです。

性機能改善への効果も期待されるので、精力剤としても普及していくかもしれません。

参照

1. Cohen AJ, et al. Ginkgo biloba for antidepressant-induced sexual dysfunction. J Sex Marital Ther 1998;24:139-43.

2. McKay D Nutrients and botanicals for erectile dysfunction: examining the evidence . Altern Med Rev. (2004)

3. Sachs BD Contextual approaches to the physiology and classification of erectile function, erectile dysfunction, and sexual arousal . Neurosci Biobehav Rev. (2000)

4. Sachs BD Placing erection in context: the reflexogenic-psychogenic dichotomy reconsidered . Neurosci Biobehav Rev. (1995)

5. Yeh KY, et al Ginkgo biloba extract enhances noncontact erection in rats: the role of dopamine in the paraventricular nucleus and the mesolimbic system . Neuroscience. (2011)

6. Michael Sohn, Richard Sikora. Ginkgo biloba Extract in the Therapy of Erectile Dysfunction.  Journal of Sex Education and Therapy. (1991)