肉蓯蓉のもとになるホンオニク
photo by Alastair Rae

肉蓯蓉(にくじゅよう)は古代中国の頃から、強壮・強精やインポテンツ改善などの目的、まさにペニスを強くするために使われてきた生薬です。

当時は、野生馬のペニスから滴り落ちた精液から生じると考えられていたことからも、直接、性機能に効くことを期待して用いられていたことがうかがい知ることができます。

近年はカンカという名で知名度を上げていて、含まれる成分が疲労回復にいいとアスリートに注目されています。

当時も今も非常に貴重な精力剤生薬、肉蓯蓉についてまとめてみました。

肉蓯蓉とは?

古代中国

肉蓯蓉はハマウツボ科のホンオニク(Cistanche salsa G. Beck)、Cistanche deserticola Y. C. Ma、Cistanche tubulosa Wightの肉質茎を乾燥したものです。

今、疲労回復に効くとアスリートが注目するカンカエキスはCistanche tubulosa Wightのことです。

肉蓯蓉の歴史は古く、中国医薬の学問「本草学」をまとめた本の中でも最古の『神農本草経』にはすでに上品(じょうほん)として取り上げられています。

当時の人々が肉蓯蓉に期待していた効能はどのようなものがあったのか見てみましょう。

肉蓯蓉、味は甘、微温。山谷に生ず。五労七傷を治す。中を補い、莖中寒熱痛を除き、五臓を養い、陰を強め、精気を益し、子を多くす。婦人□□、久しく服せば、身を軽くす。

五労とは、

  • 志労(意志の力の衰え。モチベの低下みたいなものでしょうか?)
  • 思労(創造力、発想の減衰)
  • 心労(意識の障害)
  • 憂労(うつ状態)
  • 痩労(やせ細る)

を意味します。

 

七傷とは、

  • 陰寒(季節や環境の冷え込みによって、あるいは体の温める力の低下による嘔吐・下痢腹痛などの症状)
  • 陰萎(ED,インポテンツ)
  • 裏急(お腹の裏側、腹直筋の異常なつっぱり)
  • 精連連(夢精あるいは勝手に精液が漏れ出る)
  • 精清(精液が薄い)
  • 精少なく陰下湿る
  • 小便数に苦しみ事に臨み卒せざる(腎虚、一言でいえば中高年の精力減退、男性更年期障害にともなって頻尿に苦しんで、セックスもEDあるいは早漏で十分できない)

のことを表します。

莖中寒熱痛とは尿道炎や膀胱炎のことを意味しているといわれています。

 

管理人管理人

当時もあったのかどうかはわかりませんが、これらの症状は性病でもよくあります。
ひょっとしたら、性病治療にも使われていたのかもしれませんね。

婦人□□(該当する漢字がありません)は女性のお腹の中のできものを意味していたようです。

大昔から下半身関係の生薬として活用されていたようで、精力剤として、自然のバイアグラとして、妊活サプリとして用いられていたことがわかりますね。

当時は希少であったため高価で入手困難な生薬だったようです。

馬の精液が生えるという説がまことしやかに信じられていたことからも、簡単に見つけられる植物ではなかったことがうかがえます。

日本には自生していませんので、すべて中国からの輸入に頼っています。

牛黄や人参ほどではありませんが、今でも生薬の中では値の張るほうでしょう。

肉蓯蓉の薬効成分や効能・効果

漢方薬

肉蓯蓉は厚生労働省から第三類医薬品として、正式に効能を認められた生薬です。

使用されるホンオニクは、よく太った茎の柔らかいものが良品とされています。

肉蓯蓉に含まれる主要成分には次のようなものがあります。

  • イリドイド配糖体( ゲニポシド酸、Cistachlorin、グルコシドなど)
  • エクダイソン(Cistanche tubulosa Wight)
  • リグナン(女性ホルモン様作用を持つ植物エストロゲンの1種)
  • ネオリグナン(リグナンの骨格の違うもの)
  • エキナコシド(フェニルエタノイド配糖体で血管弛緩作用を持つ)
  • アクテオシド(フェニルエタノイド配糖体で非常に強い抗酸化作用を持つ。血管弛緩作用も)

 

管理人管理人

アスリートの注目するエキナコシドやアクテオシドの作用は抗酸化作用と血管拡張作用。
まさにEDに悩むわれわれ世代の男性にもピッタリじゃないですか。
リグナンが含有されているので、女性の更年期障害にもいいそうです。

肉蓯蓉の生薬としての薬能には次のようなものがあります。

  • 補腎陽・・・体を温める機能を高める
  • 益精血・・・精と血を補充する
  • 潤腸通便・・・腸の水分不足を解消して便秘を治す
  • 陽痿・・・ED、早漏
  • 不妊
  • 腰膝酸軟・・・腰や膝がだるくて痛い
  • 筋骨無力
  • 腸燥便秘・・・脱水による便秘

 

薬理作用には次のようなものが認められています。

  • 抗菌作用
  • 鎮痛作用
  • 肝保護作用
  • 抗酸化作用

 

臨床応用として次のような症状・目的に用いられます。

  • 強壮
  • 補精
  • インポテンツ
  • 女性の不妊症
  • おりもの
  • 便秘

 

このように性機能の改善にはかなり良さそうな生薬です。

今は、Cistanche tubulosa Wightが疲労回復にいいと「カンカ」という名前で有名になりつつあります。

これからますます需要が増えるかもしれませんね。

肉蓯蓉の副作用は?

活性酸素を取り除くイメージ

肉蓯蓉は『神農本草経』で長期に服用しても大丈夫な上品に分類されています。

肉蓯蓉の”蓯蓉”は緩やかに作用する意味の”從容”からきています。

このことは効き目が穏やかで体に余計な負担をかけない、体に優しい生薬であるといえるでしょう。

なので、過量に摂取したりしなければ、気をつけるような副作用は特にありません。

まとめ

体にとってやさしい上に、われわれが欲するEDや精力アップなど性機能の改善に効く生薬です。

まさに、われわれにピッタリじゃないですか。

カンカが知名度を上げることで、肉蓯蓉はこれから人気になっていくかもしれませんね。

マカやクラチャイダム、トンカットアリに並ぶ精力剤になるかもです。