赤ガウクルア
photo by VanLap Hoàng

この10年ほどの間にちょくちょく耳にするようになった赤ガウクルアという名前。

なんか、色の違うものがあって白とか黒もあるらしいです。

赤はもっぱら男性の精力アップさせる効果があるらしく、最近は赤ガウクルアを取り入れている精力剤も増えていますね。

何やら名前からして怪しいのですが、いかにも効きそうな響きでもあります。

男性機能低下に悩むわれわれとしては、赤ガウクルアの正体は何なのか?どのような効果があるのか?興味のあるところです。

今回は、この赤ガウクルアに関して、現在わかっていることを詳しくまとめてみました。

赤ガウクルアとは?

熱帯雨林

東南アジアの特定地域に自生するツル科の熱帯植物で、主な原産国はタイです。

一般にはタイでしか採れないと思われていますが、メコン川流域に自生しているので、中国、インド、ベトナムにも分布しています。

赤ガウクルア(Red Kwao Krua)はソフォンという呼び名の方が知名度がありますが、この名は白鳥製薬(株)の登録商標です。なので、日本以外では通用しません。

学名はButea superba Roxbといい、世界的にはButea Superba(ブテアスペルバ)という名が一般的です。ちなみに和名ではツルハナモツヤワノキと呼ばれることもあります。

赤ガウクルアの名前の元になっているのは、根を切ると真っ赤な樹液が流れ出てくることからきています。

赤ガウクルア断面

ツル科なので他の木に巻き付くツルは細いのですが、その根は塊状になっているのが特徴です。

タイの少数民族、カレン族やモン族の人々は古くから、赤ガウクルア根をする潰して健康維持のための滋養強壮剤としてや、精力剤として利用してきた歴史があります。

注意!白ガウクルアとはまったくの別物

赤ガウクルア白ガウクルア

日本でガウクルアというと、先に広まった白ガウクルアのことを連想する人が多いのですが、赤ガウクルア白ガウクルアはまったく違うものです。

白ガウクルア(White Kwao Krua)は学名をPueraria Candollei var. Mirifica(プエラリアミリフィカ)というツル科クズ属の植物です。

赤ガウクルアと白ガウクルアは同じクズ属なのですが、学名を見てわかるように種はまったく違うのです。

種が違うというのは動物で例えるとライオンとトラの違いになります。似て非なるものと考えてください。

白ガウクルアは女性のサプリメントとしてよく使われているように、効能もまったく異なります。

白ガウクルアには非常に強力な女性ホルモン様作用を持つミロエステロール(Miroestrol)という物質が含まれていて、過剰に摂取することで副作用が問題になることがあるほどです。

間違えて、白ガウクルアの入ったサプリメントを飲まないように注意しましょう。

期待される赤ガウクルアの効果・効能

経験的に期待される赤ガウクルアの効果・効能には次のようなものがあります。

  • 勃起力アップ
  • 精力アップ
  • 疲労回復
  • 滋養強壮
  • 体力アップ
  • ストレス解消

現地の人は皆これらの症状に効くと利用しています。古くから強壮・強精剤としてずっと支持されてきたことは、タイの人々が実際に効果を感じているからなのでしょう。

では、近年になって赤ガウクルアの効果は科学的に解明されているのでしょうか?

赤ガウクルアの効果は科学的に証明されている?

マカの効能の研究報告

赤ガウクルアは世界に広まってからまだ新しいハーブなので、十分にその成分や効果が検証されているとは言えません。

それでも、その効果のもととなる成分についてはある程度分離されています。

フラボノイド類、フラボノイド配糖体などがいくつか見つかっています。

しかし、各成分ごとの薬理作用についてはまだ研究が進んでいません。

効能に関しては、ペニスの機能に直結する作用が報告されていて、ペニスの海綿体圧を高める作用があったという研究があります。[1]

メカニズムは分かっていませんが、cGMP(勃起を起こす最終物質)に関連して作用していると推察されています。

ある研究ではバイアグラより効く結果が出ましたが、その効果を再現できなかったようです。[2]

これは人の研究で、セックスの1‐2時間前に服用したところバイアグラに匹敵する効果があったのですが、再現では使用した赤ガウクルアのロットが異なっていたらしく十分な効果が出ませんでした。

著者は異なる結果の理由として赤ガウクルアの品質が安定していないことを挙げています。

 

管理人管理人

有効成分やメカニズムは解明されていませんがペニスには効く結果が出ていますね。

赤ガウクルアでテストステロンが減少!それでも勃起力がアップする不思議

赤ガウクルアは男性ホルモンのテストステロンに対する効果はどうなんでしょう?

テストステロンが高まれば精力アップや勃起力の改善しますからね。強精ハーブとして有名なトンカットアリなんかはテストステロンを上昇させます。

赤ガウクルアもそうなんでしょうか?

実は、赤ガウクルアにはテストステロンを高める作用は期待できません。

赤ガウクルアによってテストステロンが下がってしまったという研究があるくらいです。[3]

テストステロンへの効果の研究も一定していなくて、別の研究では赤ガウクルアはテストステロン値に影響を与えなかったと報告していますし[4]、他の研究では多少増えたという報告もあります。[5]

ある報告では男性が赤ガウクルアを2~3週間続けたところ、男性ホルモンの1種であるDHTが標準の上限の1.5倍、DHEAが2倍程度に上昇したという報告もあります。[6]

 

管理人管理人

テストステロンが減少したり、増加したりと一定しない赤ガウクルアですが、テストステロンによらないメカニズムで勃起力を上げる効果があるようです。

ネット上には、赤ガウクルアの体力増強や疲労回復効果は、若返りホルモンのDHEAの分泌を促進する作用があるためという記述をよく見かけるのですが、日本の文献(国立情報学研究所掲載)や海外文献(Google Scholar)を探しましたが、該当するような報告はみつけることはできませんでした。 いったいどこの文献に載っているのでしょう?

メカニズムは解明していないけどEDがよくなった!

EDに悩む男性に実施した研究では、EDが改善したという結果が得られています。[7]

30から70歳の男性に対し、二重盲検で1日500mg(最初の4日は1000mg)3ヶ月間投与したところ次にような結果が得られました。

IIEF-5(国際勃起機能スコア)アンケート

質問 実験開始前 実験終了時
性行為がまったくorあまり楽しくない 47.1% 17.60%
勃起に自信がない 82.4% 23.50%
性的刺激で挿入可能な硬さにほとんどorまったくならない 41.2% 17.60%
挿入後、ほとんどorまったく勃起を維持できない

23.50%

23.5%
性交が終了するまで勃起を維持するのが難しい 64.8% 29.50%

このように実験前は半分以上の人が勃起機能に不安を抱えていたのですが、実験終了後、不安を持つ人が明らかに減っています。

そこで、実験前と比べて性機能が改善したと感じているのかを聴いたところ、

評価 人数
改善していない 3 (17.6%)
まあまあ改善した 1 (5.9%)
適度に改善した 5 (29.4%)
良く改善した 3 (17.7%)
非常に良く改善した 5 (29.4%)

というような結果になりました。

 

管理人管理人

メカニズムはわからなくても、これだけのはっきりとした結果が出るのなんて、すばらしいじゃないですか!
いずれは研究がすすんで画期的な有効成分が分離・生成されるようになるかもしれませんね。

赤ガウクルアの副作用は?

活性酸素を取り除くイメージ

白ガウクルアは過量摂取で副作用の恐れがありますが、赤ガウクルアではそこまでの副作用はないようです。

まあ、古くから精力剤として親しまれてきているハーブですからまず心配ないかと思います。

極端に過量に摂取するとリスクはあるようで、ラットに300mg/kg(人間に換算すると48mg/kg)の高用量で与えたところ遺伝毒性が認められたという報告があります。[8]200mg/kgでは認められなかったそうです。[9]

一方で、8週間に渡り1250mg/kgもの高用量を与えたラットでは毒性を証明できなかったという報告もあります。[10]

タイの人たちが伝統的に摂取する量は100-250mg(1人1日あたり)なので、よっぽどのことがない限り副作用の心配はないでしょう。

ちなみに、アメリカのFDA(食品・医薬品を規制・管轄している機関)に相当するタイの機関は安全摂取量の上限を1日100mg あるいは 2mg/kg(50kgで100mg)と規定しています。

まとめ

科学的にはまだまだ未知の部分が多いハーブですが、タイの人たちが長年使ってきた実績があるし、一部の研究でペニスの機能向上に効果がある結果が出ていますから、中高年世代がバイアグラに頼る前に試す精力剤として有力な候補の1つになりますね。

管理人ようなEDの人は、バイアグラを飲んで勃起力が回復しても、精力が無くてその気にならなければ勃起しません。

そんな時にED薬と一緒に精力アップ目的で赤ガウクルアを飲む、という使い方にもよさそうです。

安全性も問題ないようですし、これからますます精力剤のシェアを増やしていきそうな期待のハーブですね。

参照

1. Tocharus C, Smitasiri Y, Jeenapongsa R Butea superba Roxb. enhances penile erection in rats . Phytother Res. (2006)

2. Cortés-González JR, et al The use of Butea superba (Roxb.) compared to sildenafil for treating erectile dysfunction . BJU Int. (2010)

3. Cherdshewasart W, et al Androgen disruption and toxicity tests of Butea superba Roxb., a traditional herb used for treatment of erectile dysfunction, in male rats . Maturitas. (2008)

4. Malaivijitnond S, et al Luteinizing hormone reduction by the male potency herb, Butea superba Roxb . Braz J Med Biol Res. (2010)

5. Cherdshewasart W, Nimsakul N Clinical trial of Butea superba, an alternative herbal treatment for erectile dysfunction . Asian J Androl. (2003)

6. Chaiyasit K, Wiwnaitkit V Hyperandrogenemia due to ingestion of Butea superba . Indian J Endocrinol Metab. (2012)

7. Cherdshewasart W, Nimsakul N Clinical trial of Butea superba, an alternative herbal treatment for erectile dysfunction . Asian J Androl. (2003)

8. Cherdshewasart W, et al Mutagenic and antimutagenic effects of the traditional herb used for treating erectile dysfunction, Butea superba Roxb . Biosci Biotechnol Biochem. (2010)

9. Pongpanparadon A, Aritajat S, Saenphet K The toxicology of Butea superba, Roxb . Southeast Asian J Trop Med Public Health. (2002)

10. Manosroi A, et al Effects of Butea superba on reproductive systems of rats . Fitoterapia. (2006)