ガーリックステーキ

焼肉、ステーキ、炒め物、ぎょうざ、パスタなど、あらゆる料理に欠かせない食材のニンニク。

ニオイに難があっても、ニンニクの味が嫌いという人はまずいないんじゃないでしょうか?

美味しいからこそ材料として使われるのですが、一方で、スタミナを付けることを期待してニンニクを食べる人も多いはずです。

ニンニクで精力アップすることは今さら説明の必要はないでしょう。

あらゆる精力剤に配合されていて、第3類医薬品にも指定されていることが、その効力を物語っています。

今回は、精力剤の王様ともいえるニンニクの強精作用のもととなる成分や詳細な作用について掘り下げて説明します。

ニンニクの歴史

ニンニク(Allium sativum)はユリ科のネギ属に属する多年草で、和名で大蒜と書きます。

古来より、バビロニア、ローマ、エジプト、ギリシャ、バイキング、中国などで薬用食品として用いられてきました。[1][2]

皮膚病や創傷治癒、アンチエイジングなどさまざまな目的で利用されたようです。

約6000年前から用いられていたようで、インドでは5000年前にすでに医療用に栽培され、中国でも3000年前には使用していた記録が残っています。

エジプトでは紀元前1550年に奴隷たちのパフォーマンスを上げるためにニンニクを食べさせていたという記録もあります。[3]

古代ギリシャのオリンピック選手がニンニクを摂取していた事実も残っています。[4]

おそらくは世界最古のドーピング(的な利用)だといわれています。

日本には2000年前には入ってきていたようですが、日常の食品として広まったのはかなりあとのことです。

その原因として、インド仏教でニンニクが禁制されたためで、仏教の伝わった日本でもその流れをくみ、ニンニクの強いニオイや強精作用が修行の妨げとなるとして禁じられたことは有名です。

それでも、古くは古事記や源氏物語に滋養強壮のある香味野菜として記述されています。

ニンニクはその確かな薬効成分から世界中でサプリメントとしてもよく摂取されていて、アメリカでは4%近くの人がニンニクのサプリメントを愛用しています。

オーストラリアではその数はさらに増え、約10%の人がニンニクサプリメントを使っています。

さまざまな薬効をもつニンニクの主成分

ニンニクにはさまざまな効能が報告されていますが、その効能のもとになる主な成分はアリシン、スコルジン、セレン、ビタミンB1、ビタミンB6です。

アリシン

アリシン

アリシンはニンニクの効能の根幹をなす成分です。
アリシンには殺菌作用・解毒作用・抗酸化作用などがあるとされ、ニンニクの副作用である血液毒もアリシンに由来するとされています。

細胞中に多く含まれるアリインという物質が、ニンニクをスライスしたり、潰したり、おろしたりすることで、同じく細胞内に含まれるアリイナーゼという酵素によって分解されたものがアリシンです。

アリシンはさらに別の有効成分に変化していきますが、その際に硫化水素(H2S)を放出するので、あの独特の硫黄臭い悪臭を発するのです。

後述しますが、実はこの硫化水素がさまざまな効能に関わっていて、血管を弛緩させたり、抗癌効果など体に有益な効果をもたらすのです。

スコルジニン

アリシンと違い無臭の成分です。

新陳代謝を高めて、疲労回復滋養強壮効果があるとされています。

また、末梢血管の血流をよくし、コレステロールを調節するため動脈硬化など生活習慣病を予防する効果が期待できます。

ビタミンB1(チアミン)

ビタミンB1は糖質代謝に非常に重要な役割を果たすビタミンで、不足してくると糖代謝がうまくいかなくなり、エネルギーが作れなくなります。

すると、乳酸などの疲労物質が溜まり疲れやすくなってしまいます。

不足しても水溶性ビタミンのビタミンB1は吸収効率が悪く、腸からは1日に5~10mgしか吸収されません。
そして、吸収されても3時間ほどで尿から出てしまいます。

ビタミン剤入りの栄養ドリンクを飲んだ時に、しばらくしてトイレに行くとビタミン臭いオシッコでませんか? あれです。

でもニンニクを摂取した場合は、体内でビタミンB1とアリシンが結合してアリチアミンという物質になって、ビタミンB1の効力はそのままに、長時間血液中に残って作用し続けます。

結果的に、ビタミンB1の吸収率がアップするのです。

アリシンとビタミンB1の見事な連携プレーでわれわれの体を癒やしてくれるのです。

 

管理人管理人

ビタミンB1は神経にも作用し、不足してくると起こるのがあの有名な脚気(カッケ)です。
また、犬猫にイカやエビなどを与えると含まれるチアミナーゼによってビタミンB1が壊されて腰が抜けてしまうのでご注意を。

ビタミンB6

ビタミンB6は体に取り入れたアミノ酸をタンパク質に再合成する時に働く補酵素です。

アミノ酸代謝に関わるため、皮膚や髪を健康に保ったり、免疫機能や肝臓に脂肪がたまらないようにするなど様々な作用があります。

また、神経系を正常に保つ働きがあり、ホルモンのバランスも整えます。

セレン

必須微量元素で、強力な抗酸化作用があります。

抗酸化作用によって細胞の老化を防ぎ、血管においては動脈硬化を予防する働きがあります。

また、ガンの予防効果も期待されています。

 

管理人管理人

EDは動脈硬化の初期症状なので、動脈硬化を予防するということはEDの改善や予防効果が期待できるということです。

管理人の愚息管理人の愚息

動脈硬化はまず、陰茎動脈のような細い動脈から詰まってくるので、ボクがカチカチにならなくなったら、将来的に脳梗塞や心筋梗塞のリスクがあるよ。

報告されているニンニクの効能

ニンニク

ニンニクに認められている主な効能を挙げてみましょう。

  • 強壮作用
  • 強精作用
  • 疲労回復作用
  • 食欲不振の改善
  • 神経痛の緩和
  • 筋肉痛の緩和
  • 便秘の解消
  • 高血圧予防
  • 風邪の改善
  • 不眠症の改善

とさまざまな効能があります。

次に、勃起機能に関連しそうな作用が報告されているものをいくつか取り上げてみましょう。

  • ニンニクには悪玉コレステロールを下げて、善玉コレステロールを上げる効果で動脈硬化を予防したり[5]、血管へのカルシウム沈着を防いで[6]動脈硬化を予防する効果が期待されます。
  • ニンニクのアリシンから発生するH2S(硫化水素)は勃起時に血管を拡張させるNO(一酸化窒素)と同じように働き(K+チャネルを開く)、海綿体を弛緩させて勃起しやすくする[7]
    その効果から「野菜のバイアグラ」と言えるかもしれない[8]

なんと、あの強烈なニオイのもとである硫化水素に勃起機能を改善する働きがあるんですよ。

「ニンニクは美味しいし、体にいいんだけどニオイが・・・」と敬遠されがちなのですが、勃起機能低下に悩む男たちにとっては、あのニオイこそがもっとも必要な成分なのかもしれません。

ニンニクの効果を最大限にするには?

ニンニクを摂取する方法には生で食べたり、焼いたり、ガーリックオイルにしたり、ボイルしたり、いろいろありますね。

でも、ニンニクの主な有効成分であるアリシンを十分に摂取するためには、細胞内のアリインが分解される必要があります。

そのためにはスライスしたり、おろしたりして、細胞を壊さなければならないのです。

よく、ニオイを抑えるために蒸したりオイル焼きにしたりして、ニンニクを食べますが、それだとアリシンがあまり作られないのです。

ニンニクの効果を最大限に引き出すなら2つの方法が推奨されます。

1つは生のニンニクを食べること。

もう1つ、熟成させたニンニクのサプリメントだと十分なアリシンを摂取できます。

ニンニクの推奨摂取量

ニンニクの1日の最大摂取量は以下のようになります。

68kgの人で17g(生のニンニクでいえば2片くらい)

90kgの人で22.7g

113kgの人で28.4g

となっています。

加熱した場合はもう少し多くても大丈夫です。

ニンニクの副作用は?

犬猫ではニンニクなどのネギ類を少量でも与えると”玉ねぎ中毒”といって、血液が壊れて貧血を起こし、オシッコが茶色くなることがあります。

人では通常量ではそんな心配はありませんが、食べ過ぎると貧血を起こすことがあります。

また、抗血液凝固薬やアスピリンなどを服用している人は薬の効きが増強されてしまうことがあります。

さらに、生のニンニクは胃に刺激が強いので、胃炎などのある人は注意した方がいいでしょう。

ニンニクによる口臭対策

ニンニクの口臭対策

前述した通り、勃起機能の改善を狙うのならアリシンを最大限に取れる生のニンニクを食べるのがいいのですが、そうなると問題になるのがあの強烈な口臭ですね。

セックスは相手のいることですから、口臭をそのままにしておくわけには行きませんね。

パートナーも一緒にニンニクを食べれば問題ないのですが、いつもそうなるとは限りません。

せっかくのいいムードもあのニオイで台無しになってしまうかもしれません。

完全に抑えることはできなくても最大限の口臭対策をしておきましょう。

外部サイトですが以下のサイトが役に立ちました。

ニンニクの口臭対策

口臭対策が面倒くさければ、にんにくサプリを使うのが手っ取り早いでしょう。

 

参照

1. Amagase H, et al Intake of garlic and its bioactive components . J Nutr. (2001)

2. Block E The chemistry of garlic and onions . Sci Am. (1985)

3. Butt MS, et al Garlic: nature’s protection against physiological threats . Crit Rev Food Sci Nutr. (2009)

4. Historical Perspective on the Use of Garlic

5. Kojuri J, et al  Effects of anethum graveolens and garlic on lipid profile in hyperlipidemic patients.  Lipids Health Dis. (2007)

6. Budoff M Aged garlic extract retards progression of coronary artery calcification . J Nutr. (2006)

7. d’Emmanuele di Villa Bianca R, et al Hydrogen sulfide as a mediator of human corpus cavernosum smooth-muscle relaxation . Proc Natl Acad Sci U S A. (2009)